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ワークショップ「旅行業と連携した着地型観光・体験事業のブラッシュアップ」を開催しました

「三河の山里サポートデスク」では、三河山間地域の活性化を図るため、地域の活力創出や維持につながる仕事(なりわい)づくりを支援する取組の一環として、地域の起業家と地域内外の企業・団体等とが一堂に会し、互いに交流を深めながら連携の可能性を探るワークショップを開催しています。
去る2月20日(火)には、今年度4回目となるワークショップを、新城市新城文化会館で行いました。
今回は「旅行業と連携した着地型観光・体験事業のブラッシュアップ」がテーマです。アフターコロナで観光需要が回復を見せる中、観光地では、インバウンドによる訪日外国人の誘客に取組まれているところですが、観光資源をどう活かして商品化・サービス化し、誘客に繋げるかが課題となっています。
そこで、観光まちづくりをはじめ、数々の着地型ツアーやインバウンドツアーなどの企画・運営、コンサルティングを手掛けてきた、株式会社ツーリズムデザイナーズ代表取締役の田尾大介さんを講師にお招きし、自身の事例紹介、観光プログラムやコンテンツの作り方、PR方法、愛知県の観光における立ち位置や課題について、御教示いただきました。
このうち、事例紹介では、名古屋市西区の円頓寺商店街において、空き家店舗を活用して運営されている「喫茶、食堂、民宿。なごのや」について、御紹介いただきました。人が来なくなった商店街において、再び人の流れを生み出すコンテンツ作りを仕掛け、賑わいを創出したということです。この紹介を通して、「旅行業は手段で、地域や地域に来る人をハッピーにしたいだけ」と語っていただきました。
また、講演後は、地域限定旅行業取扱管理者の資格を持つ、鈴木孝典さんとボールソン祐子さんをトークゲストとしてお招きし、田尾さんとのトークセッションを行いました。
鈴木孝典さんは、豊田市小原地区を拠点に「三河里旅」を運営し、地域に密着した観光や体験ツアーを企画しており、また、ボールソン祐子さんは、新城市の地域おこし協力隊としてインバウンド観光の促進に取組んでいるところです。


その後、講師とトークゲストを交えた2グループに分かれてワークショップを実施し、参加者の自己紹介や取組、観光事業における課題や質問について、グループ内で共有のうえ、意見交換を行いました。さらに、グループごとに出た話題や気づきを発表し、参加者全員で共有しました。
やはり、皆さんの関心が最も高かったのはインバウンドのことでした。しかし、二次交通の不便さや情報発信の不十分さが課題だという声が多く聞かれ、あいちの山里にとってインバウンドはまだまだハードルが高い現状があるようです。
それでも、「愛知県は仕事で来る海外の方も多いので、ビジネスマンをターゲットに切り口が見つからないか」という意見や、「ライドシェアの規制緩和を上手く活かせないか」などの意見が上がり、ハードルを飛び越えられそうな期待感を得ることができました。
最後に、田尾さんからは、「有名・定番観光地には行き尽くしたが、次の旅行先はどこかないかな、というニッチな旅行客を狙うのが、名古屋をはじめ愛知県の立ち位置だと考えます。ジブリパークができたことで、それまできっかけがなかった人も多く訪れるようになったため、合わせてあいちの山里に来ていただけるように、何か考えていけたらよいと思います。あいちの山里にも、地域を盛り上げるにはどうしたらいいか、という課題のもとで、観光事業などに頑張って取組んでおられる方が多くいます。共通の課題には、皆さんで一緒に対応していくのが一番です。それぞれできることはあると思うので、行政も巻き込みながら、役割を理解し、分担して協業で取組んでいくのがよいと思います。皆の認識を合わせていくことも大切です。今後も今回のような機会を設け、議論を深め、ワンチームで取組んでいってください。」とのアドバイスと、エールを頂戴しました。
参加者からも、「観光業、旅行業、宿泊業を実践している方の生の声が聞けて勉強になった」、「新しい視点が得られた」などの声をいただきました。このワークショップが皆さんの事業のブラッシュアップに繋がり、あいちの山里の活性化の一助となればと願っています。
田尾さんはじめ、御参加くださった皆さん、ありがとうございました。

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