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第4、5回事業構想大学院大学イノベーション講座を開催しました

9月25日(月)に、新城市湯谷温泉「Hoo!Hoo!」のシェアオフィスにて、事業構想大学院大学のご協力のもと、本年度の実践者の事業プランをブラッシュアップさせるため、全5回にわたって開催するビジネス講座「あいちの山里アントレワークプロジェクト 地域との共創を目指して」を実施しました。

本講座は、事業構想大学院大学の教授であり、法政大学や中央大学でも兼任講師として教鞭を振るう、㈱みらい共創技術研究所代表取締役の樋口邦史先生を講師にお招きし、6月から月1回のペースで開催しているものです。

今回は、講座の時間をこれまでの2時間から5時間に拡大し、前半2時間で「ストーリーテリング」をテーマに、研究及び演習を実施しました。その後昼休憩を挟み、後半2時間で、各自の事業について、これまでの学びを踏まえたプレゼンテーションを実施し、この講座の集大成としました。

ビジネスシーンで幾度となく訪れるプレゼンテーションの機会。自分の事業や商品・サービスを売り込み、協力者や顧客を得るためには、いかに自分の主張を聞き手に印象付け、感化させ、その気持ちを持続させるように伝えられるかがカギとなります。その有効な手法の一つとされるのが、ストーリーテリングです。

このストーリーテリングを研究する講義では、スティーブ・ジョブズ氏が2007年のiphone発表時に行ったスピーチや、2023年のWBC決勝戦における大谷翔平選手の「憧れるのをやめましょう」という声出し等の事例をもとに、その手法やコツ、効果について学びました。

続くワークショップでは、2班に分かれ、既存の菓子製品を再生させるためのストーリー作りを行いました。グループそれぞれで5~6分のシナリオを作成し、発表しました。

キャラメル製品を選択したチームは、電車の中というシチュエーションで心温まるストーリーを作成し、実践者が画像を元に声を当てる、紙芝居仕立てによる発表を行いました。

ストーリーは、ぐずる子どもとその母親、一見強面のサラリーマンが、同じ電車に偶然乗り合わせたところから始まります。サラリーマンは怒り出すのかと思いきや、自身が祖母にしてもらったことと同じように、子どもにキャラメルをあげて落ち着かせる、という内容で、一粒で優しい気持ちになれるということを表現したエピソードでした。

また、チョコレート製品を選択したチームは、景品の「おもちゃの缶詰」とキャラクターにフォーカスし、商品を「懐かしい」と感じる世代に向けたストーリーを作成しました。

子ども時代に抱いた「おもちゃの缶詰」への憧れやワクワク感を想起させ、共感してもらうとともに、その思いを子どもたちとシェアするという、次世代への希望を加味したストーリーに仕上げました。

短い時間の中でのストーリー作りでしたが、どちらも予想以上の出来栄えで、発表は盛り上がり、樋口先生からも、着眼点が良いとお褒めの言葉をいただきました。

本年度の実践者は、関係市町村に向けた中間報告会を11月に控えていますが、今回のワークショップは、自分の事業をよりよく伝えるためのヒントになったものと思います。

また、講座後半は、講座を締めくくる最終発表会と、そのための資料作りについて、当該報告会を視野に入れつつ行いました。樋口先生からは、「自身がその事業をやろうと思った背景について、少しだけでもいいので、ストーリーテリングの手法を取り入れて発表してみてください。」とアドバイスをいただきました。

その後、ストーリーテリングのシナリオ作りにも励み、事業発表会に臨んだ実践者たちでしたが、樋口先生にとっては、実践者たちのプレゼンはまだまだもの足らなかったようです。

特に、以前の講座で学んだビジネスシステムを資料に加えている実践者たちが少なく、現状のプレゼンではやろうとしている事業の中身がよくわからない、とご指摘を受けました。

このため、急遽発表会を中断して、ビジネスシステムについての講義が再スタートし、どんな商品やサービスを、どのように、誰に、いくらで提供するのか、利益はどのくらいか、改めてビジネスシステムの設計の仕方を復習しました。

また、本講座は、今回が最終回の予定となっていましたが、樋口先生のご厚意で、10月にもう一度、最終発表会の時間を設けていただけることになりました。樋口先生からは、「皆さんの事業構想は良いものばかりです。だからこそ、ビジネスシステムや利益モデルの設計をしっかり立てて、それをプレゼンテーションで示すべきです。10月の発表を楽しみにしています。」とのコメントをいただきました。

5回にわたった講座での学びが、プレゼンテーションにどう活かされるのか期待しながら、10月の追加講座での発表を楽しみに待ちたいと思います。

 

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