本事業では、あいちの山里アントレワーク実践者たちの事業プランをブラッシュアップさせ、地域に新たな価値を創出するべくビジネスの実現に向けた講座を、「事業構想大学院大学」のご協力のもと、2021年度より開催しています。
今年度も、同大学の事業構想研究所客員教授で、法政大学や中央大学でも兼任講師を務める㈱みらい共創技術研究所代表取締役・樋口邦史さんを講師にお招きし、「あいちの山里アントレワークプロジェクト 地域との共創を目指して」と題した講義を全5回にわたっておこなっていきます。
その1回目となる講座を8月2日(金)に新城市湯谷温泉「Hoo!Hoo!」地下1階のシェアオフィスにおいて実施しました。
それぞれ活動拠点にする地域の課題解決に向けた事業プランを持って取り組む実践者たちですが、初回から樋口先生に投げかけられたのは「ともすると、そのアイデアは自分よがりで地域のニーズとズレてしまっていないか?そもそもアイデア出しはできているのか?」という懸念。講座のテーマにもなっている“地域との共創を目指して”を念頭に、地域にはどんな困りごとやニーズがあるのか?何のためにその事業を自分がやるのか?あらためて考えることからスタートしました。
樋口先生によると、“自分基点の事業構想に必要なのはアート思考でのクリエイティブで柔軟な発想力”とのことで、前半はイノベーターとも言うべき世界を変えた著名な技術者やアーティストらのイノベーション事例を紹介していただきながら、アート思考は自分を起点に、自由に到達点を目指す思考方法であること、達成したい強い意志のある目標設定とオリジナリティあるアイデアやコンセプトが求められることなどを学びました。
後半は、実践者たちが活動する地域の魅力と課題の洗い出しをするグループワーク。地域ごとに実践者をグループ分けし、それぞれが「社会/環境」「教育/文化」「福祉/健康」「経済/産業」の4つの領域で自分たちの地域の魅力と課題を検討、共有しました。その上で、地域を活性化させるための切り口を見つける作業に取り組み、さらには、そこに実践者各々が課題解決のために地域とどう関わり、地域と実践者自身のあるべき姿の達成に向けたアイデアの創出に取り組みました。とはいえ、良いアイデアはふっとわいてくるとは限らないのが難しいところ。樋口先生からは、アイデアを発想するための手法のひとつで、大谷翔平選手も夢実現のために用いたことで一躍有名となった「マンダラート」を使っての思考の整理の方法や発想の仕方を教えていただきました。
地域との共創を目指すためには、地域がどうなっていくべきか?そして自分自身がどうなっていくべきか?地域と自分自身の両輪であるべき姿を考えていくことが重要とのことで、それらを踏まえながら、他にはない新しいアイデアと価値を自分の事業に見い出していくことができるかどうか…今後毎回、脳みそをフル回転させて取り組む時間となりそうですが、その分、新たにおもしろい構想が生まれそうな予感と期待も。
全5回にわたる本講座を終えた後の実践者たち自身と構想にどんな成長や変化がみられるのか楽しみです。
※事業構想大学院大学とは…事業構想と構想計画を研究する実践教育機関。これまでに多くの起業家や事業家が学び、新しい事業を創出しています。