地域の人と訪れる人の声を聞きながら、
なりわいを育てる御用聞き
以前、名古屋で建築事務所に勤めていた際、設楽町の町づくりに携わったのがご縁で、2016年秋に設楽町・三都橋地区に移住しました。最初は「空き家の家守と改修・住み開き」を起業テーマに、空き家の管理代行と地域と家の魅力を移住者に伝える聞き語りの家守をしたいと思っていましたが、集落の中に入り、地域の方々と課題や相談事を話していくうちに、そういった仕事も含めたもっと広い観点で「これからの暮らしをととのえるなりわい」ってものができないか考えるようになりました。建築家というとハードルの高いものに思われがちなので、いまは「御用聞き」という肩書きを使い、暮らしのよろず相談屋として、地域の人々、訪れる人々の声を聞きながら「田舎と都会の循環」、田舎の「住まい」と「職」をととのえることを事業として育てている最中です。現在、私の住居兼仕事場にコーヒースタンドやシェアスペースを作り、田舎と都会の交流を企む場所に改造計画中。また消防団などに入り地域と積極的に関わることで、地域の人とのネットワークづくりも構築しつつあります。そうした場所や人という地域資源をいかし、そこに住む人も、訪れる人も一緒になって楽しめる何かおもしろい企みができればいいなと考えています。実は田舎って、都会よりやらなきゃいけないこと、できることはたくさんあると思う。それに人間関係が濃い分、自分の人間像が彫り込まれ、自分が何者かってことがわかるからおもしろいんです。