地域の拠り所「コーヒーあーとスモールライブラリー」
高齢者が幸せに生きられる地域をめざす、
介護保険外サービスと居場所づくり
24年間、介護現場で働き、高齢者の終末期のリアルな姿を見守り続けてきた宮本晃子さん。だからこそ、現行の介護保険制度に対しての疑問や不満、そして自分の無力さなど、様々な感情が沸き上がると言います。例えば、やりたいことをやらせてあげられない、逆に本人の意志ではない選択を余儀なくされるもどかしさ…。特に中山間地域では、福祉施設や介護の担い手も少なく、本当に困っている方々へ必要な支援が充分に行き届いていないと宮本さんは憂います。「私が、介護保険外自費サービス事業を行うことで、高齢者が住み慣れた場所で、自分らしい生活を少しでも長く続けられる手助けができるのではないか、また、地域の高齢者が気軽に立ち寄れる居場所づくりをすることで、生きがいややりがいを持ち続ける人が増え、地域全体も元気になるんじゃないかと、この事業を始めることにしました」と宮本さん。昨年7月29日に拠点となる地域の拠り所『コーヒーあーとスモールライブラリー』を豊田市足助地区にオープンしました。拠点ではカフェや居酒屋営業の他、マルシェやヨガなどのイベントも精力的に行っています。また高齢者の生きがいづくりを目指し、手作り作品の作成や販売の支援、その人の適正に合わせた作業などをお手伝いしてもらったりもしています。さらに、フリーランス介護士として、入浴介助などのサービス提供も始めました。
「介護の世界はお金につなげるのが難しく、どうやって収益をあげていくかが課題です。地域の方々にアドバイスをいただいたり、共感してくれる仲間を募っていきながら、トライ&エラーで居場所づくりや、介護保険外サービスのしくみづくりに挑戦し、高齢者が幸せに生きられ、今いる場所で住み続けられる地域になるよう目指していきたいと思います」。
岡崎市出身
地域の拠り所「コーヒーあーとスモールライブラリー」インスタグラム