地域創生や起業に詳しい、株式会社みらい共創技術研究所代表取締役・樋口邦史さんを講師にお招きし、6月~10月までの月1回実施してきた『あいちの山里アントレワークプロジェクト 地域との共創を目指して』。8月もビジネスモデルの構築を目指した研究に取り組みました。
【8月/バリュープロポジション=提供価値を探索する】
ビジネスで最も大切なことは、消費者に選んでもらう事業にすること。あいちの山里アントレワーク実践者たちの事業も然り。そのためには『バリュープロポジション』、いわゆる『顧客への提供価値(顧客が得られる利益やメリット)』を明確にし、他社との差別化を図ることが求められます。
それを見つけるためのフレームワークが『バリュープロポジションキャンバス』です。

8月の樋口先生のセミナーでは、7月に実践者たちが作成した『ビジネスモデルキャンバス』のうち、「顧客セグメント」と「提供価値」の2つの要素にフォーカスし、一枚の紙(キャンバス)上に、顧客の利得、悩み、解決したい課題からなる顧客視点での要求部分と、それらに対して、自身の事業の商品やサービスがどのような価値を提供できるのかを考察しました。顧客との対話を紙上でシミュレーションし、顧客と提供価値の間の整合性、あるいはズレを視覚的に表すことで、顧客となるターゲットの心理や行動を深く理解でき、顧客が本当に欲している価値への探索につながります。実践者たちは『バリュープロポジションキャンバス』のテンプレートとにらめっこしながら、顧客のニーズを掘り起こし、独自の提供価値をあぶり出して、顧客セグメントと提供価値をフィットさせる作業に取り組みました。

『バリュープロポジションキャンバス』が完成したら、次は『ビジネスモデル概要図』の作成です。これまでの講座を通して作成してきた『ビジネスモデルキャンバス』と『バリュープロポジションキャンバス』をベースに、イラストや図形を用いて事業に関わるモノ、人、お金の関係性と、自社の商品やサービスがエンドユーザーまでに提供される一連のシステムの流れや収益を得るまでの流れを一枚図で表したものが概要図です。誰に何を提供し、その商品やサービスはどこでどうやって作ったり仕入れたりするのか?それをどのように売るのか?外部の人が見ても、ひと目で、事業の概要や特徴、収益モデルなどを含めたビジネスの構造の全体像が理解できる図式になっていることが重要なのですが、多くの情報を視覚的に整理しなければならず、この作業も難度高め。あれやこれやと概要図に入れたくなる実践者たちの気持ちもわからなくもないが、できるだけ要点を絞ってわかりやすく図式をレイアウトすることが胆!ということで、樋口先生からは「もっとシンプルに!もっと簡潔に!」という叱咤激励と、どこに何を置くのか、書き方のアドバイスを頂戴しました。
また、収益を得るためのモデルには、商品を作って売るというシンプルなものから、継続課金型やレンタル型、利権を販売する複雑なものまで、様々なパターンがあり、樋口先生によると「それぞれの特徴を捉え、組み合わせることができれば競合に差をつけることも、安定した事業基盤を作ることができる」とのことで、代表的な収益モデルの特徴や事例などをご紹介いただき、実践者たちの事業における収益パターンの可能性について示唆くださいました。