春日井雅子さん(岡崎市額田地区)

Room035

地元に愛される場所を目指して、古民家再生プロジェクト

はじまりは、2018年末、友人に誘われた紙バンド製カゴバックづくりとの出会いがきっかけだ。

「やってみたらおもしろかったので、紙バンドクラフトの本を買ったんです。そしたら、誌面にカラフルな紙バンドがズラーっと並ぶ美しい写真が掲載されているのを見て、「これだ!」って。すぐさま夫に「このお店をやりたいんだけど」と相談したら「いいんじゃない!」と快諾してくれたので、早速、紙バンドの問屋さんに「お店を開きたい」と連絡したんです」(笑)。

行動力とバイタリティにあふれた春日井さん。話はとんとん拍子に進み、2019年3月、岡崎市のまちなかにある自宅の一室を改築し紙バンドクラフトの専門店『Room035』を開業した。店舗では紙バンドなどの資材の小売と、それらを使用したクラフト体験教室を開催する傍ら、ランチの提供やBAR営業もおこない、東海地区唯一の専門店であることから、県外からも客が訪れる人気店となっている。「年々、うちを知ってくださる方が増えたのは嬉しいんですが、段々、お店のほうが手狭になってきて…。新たな店舗となる物件探しを考えていたところ、店のランチ用ベーグルの仕入れ先でもあり親しくさせてもらっている額田の『べーぐる庵』の倉橋知栄さん(2018年度起業実践者)から額田の古民家を紹介されたんです。それを見た時、この地域の文化や伝統、周辺の自然を守っていきたいと強く思ったんですよね」。そうして春日井さんは、2022年、額田地区の南大須町で12年間空き家だった築120年の古民家の購入を決めた。

手に入れた古民家は母屋の他、横屋、蔵、牛小屋、田畑付きという大屋敷で、地域の人々の思い入れも深いランドマーク的な存在だという。もともと倉橋さんの、パン屋を拠点にした「田舎と街をつなぐ」活動に共感していた春日井さんだが、額田の古民家購入を機に実際に地域に入り、地域の人々とのつながりができたことで、地域の良さも課題も知ることができたそうだ。春日井さん自身も地域のためになる取り組みをしたいと考えるようになり、地域で屋敷の存続を望む声が多いことから、春日井さんは古民家再生プロジェクトに乗り出すことに。母屋をリノベーションし、これまで岡崎市のまちなかで経営してきた紙バンドクラフト専門店を移転。額田の新店舗でも飲食とBARの営業を続ける意向だが、店の目の前の田畑で採れた農作物はじめ額田産の食材をメニューに取り入れたいと思っている。また、音楽イベントやマルシェ、展示会などを企画し、民泊運営にも取り組んでいく考えだ。地域に数少ない地域内外の人たちの交流・遊興・文化創出などが期待できる拠点づくりで、地域振興を図ると共に、地域で愛される店を目指す。オープンは2023年4月の予定。

プライベートではステップファミリー(子連れ再婚家庭)として5人の子育てや義父の介護を経験。2012年には夫、子供らと家族バンド「CRAMP」を結成し音楽活動中。“人生エキサイティングに!”が春日井さんのモットーである。

 

『Room035』

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